狼と香辛料
いやー、いいものを読ませてもらった。剣も魔法もないファンタジーがこんな豊かだとは! 西洋中世の市井の人の生活を丹念に描いている。裏取ってないから本当のところどうか知らないんだけど。やっぱ、よく取材してあるものはいいなぁ。「[論考]はてなで記事を書かない人間が書く文章なんざ、ロクなもんじゃねえ」にもあるとおり、なんでもこなす優等生の体験でなく、人生経験の貧弱な落ちこぼれの緻密な取材がよい物語を生み出すのである。支倉凍砂先生が落ちこぼれかどうかはわからないけど。ファンタジー世界なんてものは体験できないもんだから、テキトーに想像して書いてる作家のなんと多いことか。安易に貴族を出さないのも高評価だなぁ(権力で解決させたりしないから)。このあたりの肉付けが、普通のファンタジー小説では戦闘にあたる商人の取引にスリリングさを与えている。でも、そういや、4巻の石相場取引は取材かどうか若干怪しいな。あと、荷馬車に乗ってるんだけど馬の世話がないな。って考え出すとポロポロでてくるが気にしない!
あと、ツンデレ3種にはあてはまらない、なんというか抑制の効いたヒロインの恋愛感情がたまらないっす。いや、やっぱ端から見るとデレデレなのかも。
あと、こんな風に忘れ去られていく神々の物語は読みたかった(書きたかった)んだなぁ。キリスト教が駆逐して行った土俗の神々の様がよくわかって○。実際はどうだか知らないが、私の想像との齟齬がない世界観が嬉しい。
なんかうまくかけなかったけど、中世の生活がラノベで読めますよ。下のリンクから買うといいよ。べ、別に今無職だからアサマシに精を出してるわけじゃないからねっ!
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